ロレックスを高く買い取ってもらうために

結納返しのロレックスの腕時計。

私の家は、はっきり言って裕福ではありません。洋服は基本的にお下がり、買ってもらえる学用品も実用重視でした。忘れられないのが、筆箱です。

 

ふたが閉まらなくなっても、ゴムでとめれば大丈夫と言われ、新しくしてもらえず、クラスメートからよくからかわれました。万事が万事、こんな具合で、つらい子供時代を過ごしました。

 

そのようにして育ってきた私が結婚が決まり、結納をすることになった時のことです。私の親はそういう儀礼的なことはお金の無駄だからする必要はないと言いました。

 

しかし、夫の家族は、きちんするところはしないといけないと言いました。そんな経緯があったので、私は最後の最後までこれか、自分で何とかしないといけないんだと思いました。そう思っていたある日、父が仕事帰りに待ち合わせようと言います。

 

何だろうと思っていると、ロレックスの専門店に連れて行かれました。そして、〇〇君のために〇円以上の商品を選びなさいと言いました。

 

私はびっくりして、何が起こっているのか、分からなくなりました。もちろん選べず、父が店員さんと相談して、1つの時計に決めてくれました。

 

その時計は、父が予定していた予算よりもオーバーしていたと思います。それでも一生ものになるのはこれだろうからと言って、その時計にしていました。私はというと、ありがとうというのが精一杯でした。今、その時計は夫の勝負時計です。

 

大切な仕事がある時にそれをしていきます。その時計をして仕事に向かう夫を見るたびに、あの日のことを思い出します